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本「愛するということ」③【孤立を克服する方法】を解説

愛するということ エーリッヒフロム 自分軸/自己価値
この記事は約9分で読めます。

愛することを理解するため、2020年出版のエーリック・フロム著 改訳・新装版「愛するということ」を解説しています.

今回のテーマは

第2章 愛の理論から【孤立を克服する方法】

 

今回の内容はとても難しいです.

しかし、人間の抱える最大の問題〔孤立・孤独〕を理解・克服することは、本物の愛に繋がります

愛を学んで、愛し愛され上手になっていきましょう♪

愛することを理解するため,2020年出版のエーリック・フロム著 改訳・新装版「愛するということ」をもとに解説しています.

👇 孤立・孤独について解説しています!

②愛する理由【孤立・孤独とは?】を解説

 

 愛の理論  〔 孤立を克服する方法 〕 解説

人間の最も強い欲求は、孤立を克服し、孤独から抜け出したいということです.

今回は、この孤立を克服するために行う4種類の方法を解説していきます.

  • 祝祭的興奮状態になる
  • 集団に同調すること
  • 生活を型どおりにする
  • 創造的活動をする

 

これらの方法は自分の外の世界との関係性から孤立を克服する方法です.

理想的な孤独の解決方法は愛です.

 

👇コチラで解説しています.

愛の理論③【愛による孤立の克服】を解説

孤立感を抜ける方法: 祝祭的興奮状態になる

孤立感から抜けるために祝祭的興奮状態になる方法があります.

お祭りの乱痴気騒ぎの状態の事です.高揚感から孤立感が消え、集団と一体感を得ることができるため孤立感からむけることができます.

≪ 例 ≫   海外の原始的部族の儀式

  1. 儀式では、自己催眠的な恍惚状態や麻薬の助けなどで興奮状態になる.
    ⇒ この高揚状態の中では外の世界は消え失せ、外の世界からの孤立感も消えます
  2. 儀式は集団で行うので、集団との一体感が加わり、さらに孤立感は消える.
  3. この孤立感の消失は一時期なもの.
    儀式後しばらくは孤立感に苦しまないのですが、少しずつ不安による緊張感が出てきて、再び儀式を繰り返し孤独感を取り除こうとします.
  4. 孤独感を感じる⇒ 儀式 ⇒ 孤独消失 ⇒ 孤独を感じる⇒ 儀式・・・
    この繰り返しをすることで、孤独感から抜け出そうとします.

 

所属するコミュニティの全員が参加していていると、不安や罪悪感はありません.

参加することが正しいと集団の中にいることで認識するからです.

 

共同行事を捨てた社会に生きる人

祝祭的興奮状態を知らない社会の人は、酒や麻薬に溺れたり、性的興奮の助けを借りたりする方法をおこないます.

この方法は、罪悪感と良心の呵責にさいなまれ、さらに孤立感が深まります.

 

性的興奮の助けを借りる方法は、ある程度、孤立感を克服する自然で正常な方法です.しかし、他の方法で孤立感を癒せない人にとっては酒と薬と変わりありません.

 

興奮状態による 〔ひとつにまとまる 〕体験の共通特徴

  • 強烈、ときに激烈
  • 精神と肉体の双方にわたって人格全体に起こる
  • 長続きせず、断経的、同期的に起こる

このような特徴があるものは、祝祭的興奮状態で孤立感から抜けようとしています.

 

 

孤立感を克服する方法:同調

人間が最も選んできた孤立感を克服する方法は同調です.

集団・慣習・しきたり・信仰へ同調することで、ひとつにまとまる感じを得ることです.

 

集団に同調すること

威嚇と脅威の独裁体制の社会だけでなく、自由の民主主義の社会でも、ほとんどの人が集団に同調し、ひとつにまとまっています.

同調

個人の自我がほとんど消える

集団の一員になる
集団に同調すれば、私は救われる =  孤独という恐ろしい経験から救われる
現在社会の集団との同調することで逃れたい恐怖とは・・・
・ 他人と異なることへの恐怖
・ 群れからほんの僅かでも離れる恐怖

 

民主主義の社会は、強制されて同調しているのではなく、自ら望んで同調しています.しかも、集団に同調したいという欲求をもっていることにも気づいていません.

 

現代人のもつ幻想
  1. 私は自ら考えや好みに従い行動している
  2. 私は個人主義で,私の意見は自分で考えた結果である
    みんなと意見が同じなのは,単なる偶然
  3. みんなと意見が一致するのは「自分の」意見の正しさの証明だ

 

現代社会の仕組みは人間の標準化=平等

かつての宗教の世界の平等の考え方

  • みんな神の子、誰も同じ高貴な資質を備え、みな同じ1人の人間
  • 個人と個人の違いは尊重されなければならない
  • 我々ひとり一人は唯一無二の存在で、それ自体がひとつの宇宙

つまり、集団の中でも一人ひとりが自立し、個が尊重される社会ということです.

 

しかし、現在の社会は逆のようです.

現代社会の平等
  • 「一体」ではなく「同一」
    “没個性的な平等”
  • さまざまな違いを切り捨てた同一性
  • 同じ仕事をし、同じ趣味をもち,同じ感情や同じ考えをもつ

 

人間が標準化することが、平等で,平等であることが集団のまとまりとなり,孤立感から逃れる方法になっている

孤立から生じる不安を和らげる方法: 生活が型どおり

今の人間の生活は、誕生から死,日曜~土曜,朝から夜まで,全ての活動を型にはめられています.

周りと同じ型にはまった生活をすることは同調することなので、孤立感から逃れる方法となります.

 

仕事

組織全体の構造により決められた仕事を決められたペース、決められたやり方でこなしていきます.

会社組織の中では、仕事内容だけでなく、感情(快活さ,寛容,信頼性,野心,人と衝突せずうまくやる能力)など決められています.

会社組織に染まると安心ってことです

 

型にはまった生活をする人が忘れてしまったこと

  • 自分が人間であること
  • 唯一無二の個人であること
  • たった一度だけ生きるチャンスを与えられたこと
  • 希望と失望,悲しみや恐れ,愛への憧れ,無と孤立の恐怖があること

 

この忘れた内容を自分は理解していると幻想を持ち、本当は分かってなく無意識に集団に同調して生きているのだろうと思います.

図星過ぎて,耳が痛い・・・

 

一体感を得るための方法:創造的活動

創造的活動をすることで、素材と一体化し、孤立感を取り除く方法です.

創造的活動は創造する人間は素材と一体化します.

創造的活動とは、芸術的、職人的なもの(大工,宝石職人,農家,画家など)のことを言います.素材はその人の外にある世界の象徴です.

創造活動の過程で、人間は世界と一体化することができます.

一体感を得ることができるのは生産的な仕事のみで、自分で計画し、生産し、自分の目で仕事の結果を見る仕事もことです.

機械や会社組織の枠にハマっている労働者は、本来の自分じゃないため同調以上の一体化はありません.

 

まとめ

人間は孤立を抜け出し、孤独を克服したい強い欲求があります.

孤立から抜け出す欲求を満たすために4つの方法を選びます.

 

  • 孤独感から抜けるため祝祭的興奮状態になる
  • 孤独から克服するため,集団に同調すること
  • 孤立から生じる不安を和らげるため,生活を型どおりにする
  • 一体感を得るために創造的活動をする

 

現在の社会では、集団・社会に同調し、生活することで孤立を克服しようとしています.

 

感想

とても耳が痛い内容でした.

私は完全に集団に同調して生きていますね・・・人間であることを忘れてしまってます!‼

仕事のマニュアル通りに働くことも、ネットで紹介された映画や本・ランチなどを楽しむことも全て同調で、社会集団からの孤立から逃れるためとは驚きました.

確かに、仕事に没頭している時や趣味に熱中しているときは、外の世界のことは考えないので孤立感はありません.

そして、世間や人と違うことをするには勇気が必要で、抵抗があります.

例えば、真っ赤な服を着て真っ黒の服ばかりの街に出るのは、なぜが勇気が必要です.

それは、外の世界と異なることで孤立感を感じることへの恐怖がそうさせていたのだと思います.

今回書いた内容は,私の解釈です.
ご興味がある方は是非本を読まれることをおススメします.

kindleで購入すると,お安かったです.

 

愛の理論  ③孤独から抜ける方法は愛

第2章 愛の理論から『孤独を克服する方法』について解説しています.

是非読んでいただければと思います.

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます.

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