全4回でお届けしてきた、この思考リセット術の旅も、いよいよ最終章を迎えました。
ここまで一緒に旅を続けてくださったあなたに、心からの拍手を送ります。
私たちは、これまで一歩ずつ、自分自身を取り戻すためのレッスンを重ねてきました。
【第1回】では、あなたを縛っていた無意識の「思考のクセ」に光を当て、
【第2回】では、他人軸から自分軸へと切り替える「インサイド・アウト・シフト」を学び、
【第3回】では、罪悪感や恐れを乗り越え、揺るぎない「自分軸」
を確立する方法を知りました。
きっとあなたはもう、以前のように他人の評価に振り回されることなく、自分の心の声を信じて歩むことの大切さを、実感し始めているのではないでしょうか。
あなたは今、大海原をゆく船の「船長」として、自分自身の人生のハンドルを、その手にしっかりと握っています。
しかし、船長には、もう一つだけ不可欠なものがあります。
それは、「自分はどこへ向かいたいのか」を示す、人生の「羅針盤(コンパス)」です。
最終回となる今回のテーマは、まさにその「羅針盤」の見つけ方。
あなたの人生の「北極星」となる、あなただけの「価値観」を明確にするための、最後のレッスンです。
この記事を読み終える頃には、あなたはもう人生の選択に迷うことはありません。自分が本当に大切にしたいことに向かって、自信と喜びに満ちた航海を始めることができるでしょう。
なぜ、人生に「羅針盤(=価値観)」が必要なのか?
「価値観」と聞くと、少し難しく聞こえるかもしれませんね。
簡単に言えば、価値観とは、「あなたが、人生において何を最も大切にしたいか」という、あなただけの「心のルール」や「判断基準」のことです。
この自分だけの羅針盤を持つことで、私たちの人生には、3つの素晴らしい変化が訪れます。
1.決断に「ブレ」がなくなり、迷わなくなる
価値観が明確でないと、私たちはその場の気分や周りの意見に流されて決断し、「本当にこれで良かったんだろうか…」と後悔しがちです。
しかし、「成長」「安定」「自由」といった自分だけの羅針盤があれば、「この選択は、私の『成長』に繋がるだろうか?」と問いかけるだけで、進むべき方向がクリアになります。
2.他人の意見に、心を乱されなくなる
自分だけの羅針盤があれば、「アドバイスはありがとう。
でも、私は『穏やかさ』を大切にしたいから、こちらの道を選ぶね」と、心の中で健全な距離感を保てます。
他人の意見は参考にしつつも、最終的には自分の価値観に従うことができるのです。
3.心からの「充実感」を感じられるようになる
本当の充実感は、「自分が大切にしたい価値観に沿って、毎日を生きている」という実感から生まれます。
「創造性」を大切にする人が、仕事の合間に絵を描く時間。
「繋がり」を大切にする人が、友人と心ゆくまで語り合う時間。
そんな、あなただけの価値観が満たされる瞬間の積み重ねこそが、何にも代えがたい「幸せ」を連れてきてくれるのです。
【実践ワーク】あなただけの「羅針盤」を見つける3つの質問
それでは、いよいよ、あなただけの羅針盤を見つけるための「心の宝探し」を始めましょう。
静かな場所で、ノートとペンを用意してください。
そして、次の3つの質問に、頭で考えすぎず、心が動くままに答えを書き出してみてください。
質問①:「子供の頃、時間を忘れるほど『夢中』になっていたことは何ですか?」
親や先生に褒められるからでもなく、何かの役に立つからでもなく、ただ純粋に「好き」で、時間を忘れるほど没頭していたことは何だったでしょうか?
子供時代の「好き」には、あなたの才能や情熱の「原型」が隠されています。
【私の例】
私は、友達を集めて「探偵団」や「秘密基地作り」のリーダーをすることに夢中でした。
物語を考え、役割分担を決め、みんながワクワクするような計画を立てるのが大好きでした。
→ここから「創造」「リーダーシップ」「仲間との繋がり」という価値観の種が見つかりました。
質問②:「どんな人や物語に、心が震えるほど『感動』しますか?」
あなたがこれまでの人生で出会った、実在の人物、歴史上の偉人、映画や小説の登場人物の中で、「この人のようになりたい」「こんな生き様に憧れる」と感じるのは、どんな人でしょうか?
あなたが誰かに強く惹かれる時、それは、あなた自身が心の奥底で大切にしている価値観を、その人が体現してくれているからです。
【私の例】
私は、逆境の中でもユーモアを忘れず、自分の信念を貫いて新しい道を切り拓いていくアーティストの物語に、いつも心を動かされます。
周りに何と言われようと、自分の表現を信じ抜く姿に憧れます。
→ここから「自由」「ユーモア」「信念」「自分らしさ」という価値観が見えてきました。
質問③:「もし、お金の心配が一切なかったら、どんな『ごく普通の一日』を過ごしますか?」
豪華客船で世界一周、といった特別なイベントではありません。
もし、生活のために働く必要が一切なくなったとしたら、あなたは月曜の朝から日曜の夜まで、どんな「ごく当たり前の日常」を送りたいですか?
この質問は、社会的地位や収入といった「外側の成功」を取り払った時に残る、あなたの「本質的な喜び」をあぶり出してくれます。
【私の例】
午前中は、静かなカフェで新しい知識をインプットしたり、自分の考えを文章にまとめたりする。
午後は、その知識や経験を活かして、誰かの相談に乗ったり、成長のサポートをしたりする。
夜は、大切な家族や友人と、美味しいものを食べながら、ただ語り合って笑い合って過ごす。
→ここから「知的好奇心」「学び」「貢献」「愛情」「穏やかさ」という、私を本当に満たしてくれる活動が見えてきました。
見つけた価値観を「人生の羅針盤」として使う方法
3つの質問に答えることで、あなたの心の中にある、たくさんの大切なものが浮かび上がってきたことと思います。
最後に、それを実生活で使える「羅針盤」に仕上げていきましょう。
価値観を3~5つの「キーワード」に絞り込む
書き出した答えの中から、共通して出てくるテーマや、特に心が強く反応した言葉を拾い集め、今のあなたが最も大切にしたい価値観を、3~5つのキーワードに絞り込んでみてください。
私の場合は、「自由」「成長」「貢献」「愛情」「穏やかさ」が、羅針盤の「方角」を示すコア・バリューになりました。
毎朝、そのキーワードを自分に問いかける
このキーワードを、手帳やスマホの待ち受け画面など、毎日目にする場所に書き出しておきましょう。
そして、朝一番に、自分にこう問いかける習慣を持つのです。
「今日は、私の『自由』という価値観を、どう満たしてあげようか?」
「この仕事は、私の『成長』という価値観に、どう繋がっているだろうか?」
この毎朝の問いかけが、あなたの意識を自分の価値観へと向けさせ、その日一日の選択を、より自分らしい、後悔のないものへと導いてくれます。
まとめ:さあ、あなたの物語を始めよう
全4回にわたる、長い旅にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
私たちは、「誰かの人生」を卒業するために、
→【他人軸から抜け出し】
→【自分軸を確立し】
→そして【未来を描く】 という4つのステップを、
共に歩んできました。
もう、あなたは大丈夫。
あなたは、自分の人生の脚本を、誰かに手渡す必要はありません。
あなたは、自分の心の羅針盤を頼りに、どこまでも広がる可能性の海へと、自由に船を進めていくことができます。
この連載で学んだことは、一度きりの知識ではなく、あなたがこれからの人生でずっと使える「心の航海術」です。
迷った時、苦しくなった時、いつでもこの場所に帰ってきてください。
忘れないでください。
あなたの人生の主役は、他の誰でもない、あなた自身です。 羅針盤は、あなたのその手にあります。
さあ、今日から、あなたはどんな素晴らしい物語を始めますか?
【全4回】連載記事まとめ
この旅にご参加いただき、本当にありがとうございました。
いつでもこの場所に戻ってこれるように、全4回の連載記事をまとめました。
あなたの人生の“航海日誌”として、これからもご活用ください。
- 第1回:【思考のクセに気づく】
「頑張っても報われない」原因はこれだった!思考のクセに気づく内観法 - 第2回:【他人軸から抜け出す】
「どう思われるか」が口ぐせのあなたへ。他人軸から抜け出し、人生の主導権を取り戻す3ステップ - 第3回:【自分軸を確立する】
自分を優先するのは「わがまま」?罪悪感を手放し、自分軸で後悔しない生き方を選ぶための3つの習慣 - 第4回:【未来を描く】
【自分軸で生きる】人生の羅針盤(価値観)の見つけ方|もう迷わない自分になるための3つの質問 (←イマココ)
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