前回の記事では、
周りの評価に振り回される「他人軸」から抜け出し、
自分の内なる声に従う「インサイド・アウト・シフト」という思考法
をお伝えしました。
あなたはもしかしたら、勇気を出して、自分の心の声に「小さなYES」を出す練習を始めてくれたかもしれませんね。
「今日のランチは、本当に食べたかった生姜焼き定食を選べた」
「乗り気じゃなかった誘いを、勇気を出して断れた」
その小さな一歩は、あなたの人生の主導権を自分の手に取り戻すための、何よりも尊い一歩です。
しかし、いざ「自分軸」で歩み始めると、多くの人が新たな「壁」にぶつかります。
あなたの心の中に、こんな声が聞こえてきませんか?
「自分の気持ちを優先するなんて、ただのワガママなのではないだろうか…」 「本当のことを言ったら、相手を傷つけたり、嫌われたりするかもしれない…」
私自身、初めて友人の誘いを「疲れているから」と断った後、丸一日「自分はなんて自己中心的なんだろう」と罪悪感で胸がいっぱいになったことを、今でも鮮明に覚えています。
そう、自分らしくいようとすればするほど、「罪悪感」と「対人関係への恐れ」という、2つの大きなブレーキがあなたの心を強く締め付けてくるのです。
今回の第3回では、
揺ぎない「自分軸」を確立するための、
具体的な方法
についてお伝えします。
この記事を読み終える頃には、あなたは罪悪感や恐れを手放し、「自分の人生の主役は、自分でいいんだ」という確信を持って、後悔しない生き方への道を力強く歩み始めているはずです。
【重要】「自分軸」と「わがまま」の、たった一つの決定的な違い
自分軸で生きようとする時に、多くの人が最初にぶつかるのが「これって、ただのワガママじゃないの?」という自己嫌悪です。
特に、これまで周りのために頑張ってきた心優しいあなたほど、自分を優先することに強い罪悪感を覚えてしまいます。
しかし、断言します。
「自分軸」と「わがまま」は、似ているようで、全くの別物です。
その最大の違いは、「他者への尊重があるかどうか」です。
自分軸で生きる人
自分の気持ちや価値観を大切にすると同時に、相手にも、相手の気持ちや価値観がある」ことを理解し、尊重します。
自分の意見は伝えますが、相手にそれを強制したり、変えようとしたりはしません。
私もOK, あなたもOK
わがままな人
自分の欲求や都合を最優先し、「相手が自分に合わせるべきだ」と考えます。
自分の思い通りにならないと、不機嫌になったり、相手を責めたりします。
私だけOK
もう一つの大きな違いは、「自分の選択に責任を持つかどうか」です。
自分軸で生きる人
自分の意志で選択し、その結果がどうであれ、「自分が選んだことだから」と責任を引き受けます。
わがままな人
自分の要求が通らないと、「〇〇してくれない、あなたのせいだ」と、責任を他人に押し付けます。
こうして見ると、全く違うものであることがわかりますよね。
あなたが、あなた自身を大切にすることは、決してわがままなことではないのです。
揺るぎない「自分軸」を確立する3つの習慣
「自分軸」と「わがまま」の違いが理解できたら、次はいよいよ、日々の生活の中で自分軸を育て、確立していくための具体的な習慣を身につけていきましょう。
習慣①:「嫌なことリスト」を作り、自分の「心の領土」を知る
「自分が何をしたいかわからない…」という人は、まず「自分が何をされたら嫌なのか」を明確にすることから始めてみましょう。
「好きなこと」を見つけるよりも、「嫌なこと」を見つける方が、実は簡単だったりします。
ノートを用意して、あなたが「これだけはされたくない」「これをされると心がザワつく」ということを、正直に書き出してみてください。
- 約束の時間に、何の連絡もなく遅れてこられること
- 自分の容姿や持ち物について、許可なく批評されること
- プライベートな質問を、根掘り葉掘り聞かれること
このリストは、あなたの「心の領土(バウンダリー)」を示す大切な地図になります。
どこまでが自分のテリトリーで、どこからが他人のテリトリーなのか。
この線引きが明確になることで、あなたは自分を守り、何を大切にすべきかが見えてきます。
習慣②:「小さなNO」を、理由を添えて伝える練習をする
心の領土がわかったら、次はその線を越えてこようとする人に対して、「小さなNO」を伝える練習です。
ここでのポイントは、「クッション言葉+理由+代替案」をセットにして、優しく、でもハッキリと伝えること。
これは、前回の「バウンダリー」シリーズでも練習しましたね。
【練習例:疲れているのに、同僚から飲みに誘われた時】
❌ これまでの自分(他人軸)
「あ、はい…行きます…」
(本当は行きたくないのに、断れずについていく)
✅ 今の自分(自分軸)
「誘ってくれてありがとう!(クッション言葉)
でも、今日は少し疲れが溜まっているから、先に帰るね。(理由)
また来週、元気な時にぜひ行きたいな!(代替案)」
そして、関係を続けたいという意思を示す。
この練習を繰り返すことで、「NOと言っても、大丈夫なんだ」という成功体験が積み重なり、罪悪感なく自分を優先できるようになっていきます。
習慣③:自分だけの「聖域(サンクチュアリ)」を持つ
他人軸で生きてきた人は、自分の時間をすべて、仕事や家族など「誰かのため」に使いがちです。
自分軸を確立するためには、意識的に、誰にも邪魔されない、自分だけのための「聖域(サンクチュアリ)」を持つことが不可欠です。
それは、大げさなものである必要はありません。
- 1日15分、好きな音楽を聴きながら、何も考えずにコーヒーを飲む時間
- 週に一度、近所のカフェで1時間だけ読書をする時間
- 寝る前に5分だけ、好きな香りのアロマを焚いてストレッチをする時間
大切なのは、その時間を「自分との大切な約束」と位置づけ、何よりも優先することです。
この「聖域」で自分の心と体を満たしてあげる習慣が、「私は、大切にされる価値のある存在だ」という自己肯定感の土台を、力強く育ててくれます。
まとめ:あなたの人生の主役は、あなた自身
今回は、
についてお伝えしました。
自分軸を確立する、ということは、決して周りの人を無視して、孤立することではありません。
むしろ、逆です。
あなたが自分の足でしっかりと立ち、
自分を心から大切にできるようになることで、
初めて、他人のことも本当の意味で尊重し、
対等で健やかな人間関係を築いていくことができるのです。
忘れないでください。
あなたの人生の主役は、他の誰でもない、あなた自身です。
あなたは、自分の人生という舞台で、どんな物語を紡いでいきたいですか?
誰かの脚本通りに演じるのは、もうおしまいにしましょう。
今日、この瞬間から、あなた自身の言葉で、あなた自身の物語を始めていいのです。
【連載】「誰かの人生」を卒業!自分の物語を始めるための思考リセット術
▶︎ 次回予告:いよいよ最終回!あなたの人生の「羅針盤」の見つけ方
さて、これであなたは、思考のクセに気づき、自分軸へとシフトし、そしてそれを確立するための具体的な方法を学びました。
では、自分軸で歩き出したその先、あなたは一体どこへ向かえば良いのでしょうか?
いよいよ次回は、このシリーズの最終回です。
第4回【未来を描く】では、あなたの人生の「行き先」を照らし出す、あなただけの価値観という名の「羅針盤」を見つける方法について詳しくお伝えします。
後悔しない生き方の、最後の仕上げです。ぜひ、楽しみにお待ちください。
【全4回】「誰かの人生」を卒業!自分の物語を始めるための思考リセット術
- 第1回:【思考のクセに気づく】 「頑張っても報われない」原因はこれだった!思考のクセに気づく内観法
- 第2回:【他人軸から抜け出す】「どう思われるか」が口ぐせのあなたへ。他人軸から抜け出し、人生の主導権を取り戻す3ステップ
- 第3回:【自分軸を確立する】自分を優先するのは「わがまま」?罪悪感を手放し、自分軸で後悔しない生き方を選ぶための3つの習慣 (←イマココ)
- 第4回:【未来を描く】 人生を変える!「思考の羅針盤」の見つけ方
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