スポーツ選手が試合後などに利用する水風呂(アウトバス)は、疲労回復に効くと言われています.
この記事では、
- 水風呂の方法と効果
- 持久力トレーニング後
- 筋肉トレーニング後
- 激しい運動後
を解説しています.
水風呂(アイスバス)
水風呂とは、運動後に氷を入れて水温を10度前後にした冷水風呂につかる方法です.
温水プールの適温が26~31度、サウナに設置されている水風呂の温度は17~20度です.
(ちなみに、私の利用する某大手総合スポーツクラブの水風呂は21度設定)
それに比べると水風呂は水温が低いので、かなりの気合いが必要になります.慣れないうちは控えめの水温、短めの時間から始めた方がよいでしょう.
方法
水風呂の方法はシンプルです.
運動後できるだけ早く(15分以内)、11度~15度の温度の水に、8~10分程度浸かります.
- 10分以上は浸からない
特に水温に慣れていないうちは短時間から始め、徐々に浸かる時間を長くしていきます. - 水流をつくる
体温で温まった水を体から遠ざけるため、水流があった方がよいです.手足で水をかき混ぜると良いでしょう. - 水風呂の後は体を急激に温めない
タオルで体を拭き、自然に体温が通常に戻るのを待ちます.温水シャワーを浴びる場合は、ぬるめの温度にしましょう.
効果
運動後の身体を冷やす効果は、主に3つほどあります.
- 神経の刺激伝達を減らし、痛みの知覚レベルを減らす
- 筋肉の末梢組織の血管を収縮させる
①運動によって引き起こされる急性炎症の原因物質の拡散を減らす
②心拍数を整える - ミトコンドリアの合成の活性化を促す
この効果は、運動の目的によってメリット・デメリットになります.
持久力トレーニングのあと
水風呂は持久力トレーニングの後が最も効果を得られます.
持久力トレーニングの効果の1つに「ミトコンドリアの合成を促す」があります。水風呂による刺激はミトコンドリア数の増加を促す効果があるといわれています.
ミトコンドリアはエネルギーを産生するものです.人間の身体の中にある細胞を効率よく活動させるためにミトコンドリアが必要です.
持久力トレーニングをしたあとは、筋肉の原動力となるミトコンドリアが活性化されます.活性された状態で、冷水の刺激で更に活性化させるというわけです.
つまり、持久力トレーニングと水風呂を組み合わせる事は、ミトコンドリアの活性化の相乗効果を得ることが可能となります.
筋肉トレーニングのあと
筋トレ後の水風呂は運動の効果を損ねる可能性があります.
- 「筋肉の増大」「強度の向上」「細胞の改善」の効果を減退させる
冷水は筋トレ後の筋肉で起こる細胞応答やタンパク質に対しネガティブに作用します.
筋トレ後の「筋肉の増大」「強度の向上」「細胞の改善」の効果を大きく減らしたり、鈍化させたりする可能性があります.
- 栄養素の吸収を阻害する
筋トレ後に水風呂に入ることで、筋肉に必要なプロテインなどの栄養素の吸収が阻害されます.そのため、筋肥大や筋力の向上を減少させてしまう可能性があります.
激しい運動のあと
激しい運動や運動不足で久しぶりに運動した後の水風呂は効果があります.
神経の興奮をおさえ、過度の筋肉痛やむくみを和らげる効果があるためです.
また、心拍数を整えることにも効果的です.スポーツ後は心拍数も高くなり身体に負担がかかります.心拍数を整えることで、疲労回復の効果も期待できます.
まとめ
この記事では、運動後の水風呂の効果について解説しました.
持久力トレーニング後や試合後のなどに効果を期待されるます.
怪我なく、効果的なトレーニングを続けるために、活用していきましょう♪
最後まで読んでいただき、ありがとうございました.
温浴交代浴についてまとめています.