愛することを理解するため、2020年出版のエーリック・フロム著 改訳・新装版「愛するということ」を解説しています.
今回のテーマ
【愛は落ちるものではない】
愛は落ちるものではなく「みずから踏み込む」のもので、愛をもらうことではなく「与えること」です!
愛を学んで愛し愛され上手になっていきましょう♪
↓ 孤独を克服する方法を解説しています!
④【孤独を克服する方法は愛】を解説
愛の理論 【愛は活動】 要約・解説
前回、孤独を克服する方法についてご紹介しました.
人間の強い欲求である孤立を克服する完全な答えは愛です.そして、成熟した愛は自分の全体性と個性を保ったままでの結合です.
愛は人間の中にある能動的な力とご説明しました.
つまり、愛は活動であると筆者は述べられています.
今回、愛は活動であるかをご紹介していこうと思います!
なぜ落ちるものではなく、踏み込むものなのか理解できると思います.
活動とは
活動とは、エネルギーを費やし、現状に変化を与える行為を言います.
今回は、①一般的な活動 ②魂の活動 ③感情面からの活動をご紹介していきます.
一般的な活動について
一般的な活動というのは、事業活動,学問を学ぶ,工場での作業,スポーツをするなどの事を言います.
これらの活動の共通点は、達成すべき目標が自分の外側にあり、自分の外にある目的のためにエネルギーを注ぎます.そして、活動に動機が含まれていません.
例えば、仕事に没頭する理由(動機)を例にご説明します.
多くの人が仕事に没頭する理由が『強い不安や孤独感を隠すため』『成功したいなど野心や金銭欲のため』です.
この状態は、情熱の奴隷となっています.
一見すると、自分の意志で行動しているように見え能動的な行動のようです.しかし、本当は受動的で、意志はなく、駆り立てられるように行動をしています.
達成すべき目標が、自分の外側にあり、自分の外にある目的のためにエネルギーを注ぐというわけです.
魂の活動
魂の活動とは精神を集中した瞑想を示します.
この活動は、自分の外側に関係なく、自分に本来備わっている力(エネルギー)を用います.
自分自身に耳を傾け、世界との一体感を味わう以外の目的を持ちません.
内面的な自由と自立が無ければ実現できない活動となります.
感情の面からの活動
著者は、感情の分類から能動的な活動と受動的な活動を紹介しています.
スピノザ(17世紀:オランダの哲学者)は、能動的感情と受動的感情を『行動』と『情熱』と表わしています.
- 能動的な感情(行動)
人は自由であり、自分自身の感情の主人 - 受動的な感情(情熱)
人は駆り立てられ、自分で気づいていない動機の僕(しもべ)
羨望,嫉妬,野心,貪欲などが当てはまる
愛は能動的な感情
以前、ポジティブな感情とネガティブな感情に調べたことがあり、当てはめてご紹介します.
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ポジティブな感情 : 楽しみ ・ 愛 ・ 喜び ・ 幸福 ・ 信頼
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ネガティブな感情 : 嫌悪 ・ 悲しみ ・ 恐れ ・ 怒り
ポジティブな感情(能動的感情)は自分の内側から湧き上がる感情ですが,ネガティブな感情(受動的感情)は自分の外側に反応し出てくる感情でした.
愛は能動的な感情であり行動なのです.
愛は活動
愛は行動であり、人間的な力の実践としています.
愛は自由でなければ実践できず、愛を強制することはできないからです.
愛は『能動的な活動』です
愛は何よりも与えることで、もらうことではない!
⑥【愛を与えるもの】を解説
今回、愛は活動であるということを要約・解説しました.
愛は自ら踏み込むこと、与えることです
次回は、なぜ愛を与えるものなのかを要約・解説していこうと思います.
この記事は要約で、本の内容を端折っています.
ご興味がある方は書籍を読まれることをおススメいたします.
最後まで読んでいただきありがとうございます.