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本「愛するということ」④【孤独を克服する方法は愛】を解説

愛するということ エーリッヒフロム 愛すること
この記事は約7分で読めます。

愛することを理解するため、2020年出版のエーリック・フロム著 改訳・新装版「愛するということ」を解説しています.

今回のテーマは

第2章 愛の理論から
【孤独を克服する方法】

 

今回の内容も難しく、難しい内容となっていますが、人間の抱える最大の問題〔孤立・孤独〕を克服することは、本物の愛に繋がります

愛を学んで、愛し愛され上手になっていきましょう♪

 

愛することを理解するため,2020年出版のエーリック・フロム著 改訳・新装版「愛するということ」をもとに解説しています.

↓ 孤立を克服する方法を解説しています!
③【外の世界との孤立を克服する方法】を解説

 

愛の理論 ④孤独を克服する方法は愛  解説

人間の最も強い欲求は『孤立を克服し孤独から抜け出したい』というものです.

 

孤独を克服する本当の方法

孤立を克服する完全な答えは、人間どうしの一体化、他者との融合です.

つまり

 

人間の最も強い欲望は、自分以外の人間と融合したいという欲求です.

もっとも根源的な熱情で、人類,家族,社会を結束させる力となります.この融合(=愛)がないと、正気を失う,破滅するなど人類は生き延びることが困難となります.

しかし、人間同士の結合を全て『愛』とは呼べません.
なぜなら、愛の方法,愛の形はさまざまで、孤独を克服できる愛に当てはまらないことがあるからです.

 

人間同士の愛の形を大きく2つに分けると以下のようなものがあります.

  • 成熟した愛
  • 共生の結合による未熟な形の愛

本質の愛は、成熟した愛を示します.

 

まず、共生結合の未熟な形の愛について解説していきます.

孤独を克服できない方法:共生の結合による愛

共生とは一緒にいきていくことです.

共生の結合による愛は2種類あります

① 生物的な結合
② 心理的な結合

 

まず、生物的な共生結合から解説していきます.

生物的な共生的結合

共生的結合の生物的結合とは妊娠している母と胎児の関係のことを示します.

母と胎児はふたりであり、ひとりである状態です.

  • 胎児:母親の一部、必要なものは母から受け取る
  • 母親:胎児に栄養を与え保護すると同時に、母の人生は胎児によって拡大

この母親と胎児の関係は正常な関係で、シンプルに愛そのものです.しかし、次に説明する心理的な共生的結合の関係は、とても問題がある愛のカタチとなります.

 

心理的な共生的結合

心理的な共生的結合とは、ふたりの体はそれぞれ孤立しているが、心理的にはどちらも似た愛着を持った状態を示します.

服従と支配の関係でふたりは繋がっています.

『共依存』と言われるものは、この状態のことを示します.

受動的な形 : 服従の関係(マゾヒズム)
能動的な形 : 支配の関係(サディズム)
受動的な形 : 服従の関係 (マゾヒズム)

服従する側の人は、耐え難い孤立感,孤独感からの逃れるために支配者の一部になりきろうとします.服従する人にとって支配者は、自分に指図し、命令し、保護してくれる人物です.

服従する人は、自分の人格を捨て、自分の外にある人や物の道具に同化します.自分で決定する必要も、危険を冒す必要もなくなり、ひとりぼっちになることもありません.

 

服従する人にとっての支配者の存在

  • 支配者は母のように命であり酸素となる
  • 支配者が全て
    (自分は支配者の一部.それ以外は無)
  • 支配者の一部なので偉大さ・力・確実性の一部になる

支配者は人物だけとは限りません.

宗教,偶像崇拝,音楽,薬なども含まれます.

 

能動的な形:支配の関係 (サディズム)

支配者は自分の孤立感や閉塞感から逃れるために、他人を支配し、自分の一部にしてしまおうとします.自分を崇拝する他人を取り込むことによって、自分自身を膨らませることができるからです.

支配者も服従者に依存している状態です.どちらも相手なしに生きることができません.

  • 支配者 : 命令し、利用し、傷つけ、侮辱する
  • 服従者 : 命令され、利用され、傷つけられ、侮辱される

支配者と服従者は表面的には違うようにみえます.
しかしより深い感情面では、お互い完全に結合(愛)に到達しないという共通点があります.

同じひとりの人が、別々の対象に対して支配者にも服従者にもなりうるのです.

支配者も服従者も感情面で結合できない.
そのため、孤立感や孤独感を克服することはできません

孤独を克服する方法: 成熟した愛

孤独を克服する方法は成熟した愛です.

愛は人間の中にある能動的な力です.
人を他の人と隔てている壁をぶちやぶる力であり、人と人とを結びつける力でもあります.

愛によって、人は孤独感・孤立感を克服します.
自分自身のままであり、自分の全体性を失われません.
成熟した愛においては、2人がひとつになり、しかも自分自身のままなので2人であり続けます

まとめ

今回、愛による孤独を克服する方法を解説しました.

孤立を克服する答えは成熟した愛です.

自分の全体性と個性を保ったままで人間どうしの一体化、他者との愛ということです.

支配・服従の関係での孤立を克服する方法は、表面的には孤独感を癒すことができそう.でも、お互いの求めることが叶わない時の孤独感の感じ方は半端ない気がします...

 

 ⑤愛は落ちるものはない  解説

人間が孤独を克服する方法の愛は、能動的な力を持っています.
人を他の人と隔てている壁をぶち破る力であり、人と人とを結びつける力でもあります.そのため、愛は能動的な力を持っています.

よく「恋に落ちる」という言葉を聴きます.

しかし、愛は『落ちる』ものではなく『自ら踏み込む』ものなのです.

下記の記事では、『なぜ愛は落ちるものではない』について解説しています.

 

 

この記事は要約であり、私自身の解釈です.
ご興味がある方は、書籍を読まれることをおススメいたします.

最後まで読んでいただきありがとうございます.

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